Simplicoはバンコクを拠点とするエンジニアリングスタジオで、この10年、EV充電ネットワーク、ドリアン集荷場、セキュリティ運用センター、工場の生産ラインなど、さまざまな事業者のために多種多様なシステムを構築してきました。どの製品も出発点は同じです——既存の汎用ソフトウェアでは業務にフィットしない企業があり、それに合わせて作り込んだ、という経緯です。
本稿では、その製品ポートフォリオを一巡します。各製品が実際に何をするのか、そしてより重要な、導入後に何が変わるのかを見ていきます。まずエンジニアリングの厚みが最も深い6つのプラットフォームを取り上げ、その後に残りのカタログを駆け足で紹介します。
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| 製品 | 概要 | 中核的なメリット |
|---|---|---|
| EV CSMS | ホワイトレーベルのOCPP 1.6充電ステーション管理 | タイの決済手段を標準搭載した自社ブランドの充電ネットワークを立ち上げられる |
| simpliSOC | オープンソースSOCスタック(Wazuh + IRIS + Shuffle) | アラート課金なしで本格的な検知・インシデント対応が可能 |
| simpliSSO | Authentik + Azure AD による統合ID基盤 | 一度のログインで全社アプリへ、退職処理も一つのスイッチで完結 |
| simpliDepot | 農産物集荷場管理(受入から請求まで) | 後から蒸し返されない買取価格の記録 |
| simpliRecycle | 廃品回収ヤード運営プラットフォーム | 計量から消費税インボイスまで一つのパイプラインで完結 |
| MES開発 / simpliFactory | Pythonによるカスタム生産管理システム | リアルタイムOEEとトレーサビリティを、ソースコードごと自社所有 |
| ERPサービス | Odoo / ERPNext の導入・カスタマイズ | バラバラな5つのスプレッドシートに代わる、単一の基幹システム |
以下、それぞれ詳しく見ていきます。
1. EV CSMS——自社ブランドで運営する充電ネットワーク
EV充電ソフトウェアの多くは欧米向けに設計されており、タイの事業者が使おうとした瞬間にほころびが出ます。PromptPayやQR30に対応していない、サポート窓口が別のタイムゾーンにある、そして顧客が目にするのは自社ではなくプラットフォームベンダーのロゴ——という具合です。
SimplicoのEV CSMSは、OCPP 1.6J準拠の本番運用グレードの充電ステーション管理システムを、事業者ブランドでホワイトレーベル提供します。QR30、PromptPay、2C2Pは後付けではなく決済レイヤーの設計段階から組み込まれており、ocpp-dashboard.simplico.netでは実際に稼働中のリファレンス環境を契約前に確認できます。
導入企業が得るもの: 自社ドライバーが実際に支払える決済手段を備え、自社ブランドで運営できる充電ネットワーク。充電器が夜8時に止まっても、アムステルダムに滞留するチケットではなく、バンコクで電話に出るチームが対応します。
2. simpliSOC——アラート課金のない本格的なSOC
多くのSOCプラットフォームはアラート量やエンドポイント数で課金され、攻撃を受けている最中にまさに費用が跳ね上がる仕組みになっています。simpliSOCは、検知にWazuh、ケース管理にIRIS、自動対応にShuffleという、すべてオープンソースのコンポーネントで構成された本番運用可能なスタックです。重複排除、深刻度マッピング、脅威フィード(IOC)のリアルタイム更新を担う独自開発のFastAPI統合レイヤーがそれらをつなぎます。
さらにローカルLLMがトリアージの一次対応を担い、対象となるすべてのアラートに「何が起きたか・なぜ発火したか・次に何をすべきか」を平易な言葉で説明し、真陽性か誤検知かの一次判定を付与します。これはすべてオンプレミスで実行され、アラート内容が社外に出ることはなく、最終判断は常にアナリストが行います。
導入企業が得るもの: ファイアウォール、VMware、Windows AD、エンドポイントを横断する検知・対応体制を、アラート従量課金なしで、ベンダーロックインなしで手に入れられます。検知ルールと統合基盤のコードは「借りているもの」ではなく、自社が実際に所有する資産になります。
3. simpliSSO——ログイン一つで、攻撃対象を24分の1に
社内で稼働するログインシステムが一つ増えるたびに、退職者のアクセス権がひっそりと生き残る場所も一つ増えます。simpliSSOは既存のMicrosoft 365 / Azure ADテナントと連携したAuthentik上にIDを統合し、社員は既存の認証情報で一度ログインするだけで、OIDC対応の最新Webアプリから、SAML2で接続するInfor M3のようなレガシーERP、さらにLDAPアウトポスト経由のプリンターや機器まで、すべてにアクセスできるようになります。
導入企業が得るもの: アクセス管理の単一の制御点。入社時はAzure ADアカウント一つでSCIM経由の必要なツールがすべてプロビジョニングされ、退職時はアカウント無効化一つで全システムのセッションが即座に失効します。IT担当者が二十数のシステムを手作業で確認し、見落としがないよう祈る必要はなくなります。
4. simpliDepot——後から蒸し返されない買取価格の記録
集荷場運営で最も厄介な問題は、たいてい計量作業そのものではなく、三週間後に「あの日、農家に提示した価格はいくらだったか」で揉めることです。simpliDepotは、受入の瞬間にキロ単価をそのロットへ恒久的に固定するため、それが紛争の火種ではなく確定記録として機能します。販売時には在庫がFIFOで自動的に引き当てられ、買主への請求書と農家への支払いは同じ台帳上で処理され、複数の会計担当が同時に会計処理をしても、伝票番号は欠番なく連番で採番されます。
タイのドリアン集荷場向けに最初に構築されましたが、品種・等級・価格のモデルはハードコードされていないため、マンゴーやゴムなど、他の計量・等級区分がある農産物にも同じ仕組みがそのまま適用できます。
導入企業が得るもの: 特定の農家のロットから特定の買主の請求書までを追跡できるトレーサビリティ、紛争を招くのではなく決着させる価格記録、そして紙の台帳や共有スプレッドシートがひそかに破綻し始める規模を超えて成長できる集荷場運営体制です。
5. simpliRecycle——計量から消費税インボイスまで、一つのパイプライン
廃品回収ヤードは集荷場と本質的に同じ業務ループで動いています。重量と等級で買い取り、在庫として保管し、販売し、正しく請求する——そして紙とスプレッドシートで運用した場合の破綻の仕方も同じです。ゲート前での価格の入力ミス、誰も気づかないまま滞留する在庫、月末に実際にスケールを通過した数量と請求書を照合するために会計担当が二日を費やす、といった具合です。
simpliRecycleは、この業務ループ全体を、単一の情報源を共有する6つの連携アプリケーションとして運用します。サプライヤー自身のスマートフォンでライブ確認できるQRミラー付きの計量、価格スナップショット付きのA/B/C等級判定、22日以上滞留した在庫にアラートを出すFIFO在庫管理、複数の計量担当が同時に作業しても衝突しないロット・請求書番号採番、そしてタイの税制に合わせて設計された消費税対応インボイス発行までを一気通貫で処理します。
導入企業が得るもの: 一度入力すれば下流の処理へ自動的に流れていくヤード運営。月末の照合作業に追われることも、誰にも気づかれない滞留在庫もなくなり、「誰がこの価格を変更したのか」という推測ゲームが、監査ログの検索一つで答えの出る作業に変わります。
6. MES開発 / simpliFactory——自社所有のリアルタイム現場可視化
パッケージ型MESは実績があり信頼できる選択肢ですが、ベンダーのロードマップに縛られ、コネクタカタログが自社のPLCプロトコルに対応していない可能性があり、将来乗り換える際には移行コストが発生します。SimplicoのMES開発サービスは、実際に稼働している工場の現場に合わせてカスタムPythonシステムを構築します。イベント駆動型アーキテクチャ、ERPに依存しない設計(SAP、Odoo、ERPNext、独自システムいずれも対応)、現場が話すプロトコル(Modbus、OPC UA、Siemens S7)をそのまま読み取り、キックオフから最初の実測OEE値が出るまでを12週間のパイロットで実現します。契約終了後の交渉材料として抱え込むのではなく、完了時点でソースコード・スキーマ・運用手順書一式を引き渡します。
導入企業が得るもの: 3か月以内に得られる機械状態とOEEのリアルタイム可視化、ベンダーの機能一覧に縛られないため事業の必要に応じて際限なく拡張できるシステム、そしてSimplicoとの関係が将来終わったとしても待ち受けている移行費用がないという安心感です。
その他のカタログ
上記6つの主力プラットフォームに加え、Simplicoは以下も開発・運用しています。
- ERPサービス ——OdooとERPNextの導入・カスタマイズ・移行、そして既製システムが合わない場合にDjangoとDockerでゼロから構築するカスタムERP。
- simpliShop ——タイ市場向けに設計された、受注生産型・多言語対応のECプラットフォーム。リアルタイム在庫管理とAIによる商品発見機能を備える。
- simpliGym ——会員課金からクラス予約まで対応するジム・フィットネススタジオ管理システム。
- IMCS / simpliFactory ——ミツトヨ/U-Waveをはじめとする現場計測機器の測定値を取得し、公差判定を行った上でSPCとERPへリアルタイムに連携。ゲンバシートへの手書きとスプレッドシート転記という、監査のたびに指摘される運用を置き換える。
- TAK Integration ——ドローン、監視カメラ、各種センサーをTAK(ATAK/WinTAK)エコシステムに統合し、simpliSOCと同じチームが手がける、サイバー攻撃検知と物理インシデントを一つの状況図に統合する取り組み。
- simpliEdge ——低遅延・オフライン耐性が求められるワークロード向けのエッジ・分散コンピューティング開発。
- React Nativeによるモバイル開発 ——上記各プラットフォームのドライバー向け・現場スタッフ向けレイヤーとして構築されることが多い、リアルタイム更新とプッシュ通知に対応したクロスプラットフォームアプリ。
複数の製品を組み合わせる場合の全体像
Simplicoに相談に来る企業の多くは、実際には一つの製品だけで終わりません。simpliFactoryを導入する製造業は、現場のログインが別問題にならないようsimpliSSOも合わせて欲しがることが多く、スタッフやドライバーを抱える集荷場やEV事業者はモバイルアプリを求めることが多く、そして複数のシステムが稼働し始めると、いずれ誰かがsimpliSOCにすべてを監視させたいと言い出します。下の図は、その際によく見られる連携の基本形です。
flowchart TD
SSO[simpliSSO 統合ID基盤] --> ERP[ERP Odoo または ERPNext]
SSO --> MES[simpliFactory MES]
SSO --> DEPOT[simpliDepot または simpliRecycle]
SSO --> SHOP[simpliShop ストア]
SSO --> EVCSMS[EV CSMS]
ERP --> MES
ERP --> DEPOT
ERP --> SHOP
ERP --> EVCSMS
MES --> SOC[simpliSOC 検知]
DEPOT --> SOC
SHOP --> SOC
EVCSMS --> SOC
ERP --> SOC
SSO --> SOC
MOBILE[React Native アプリ] --> DEPOT
MOBILE --> EVCSMS
MOBILE --> SHOP
- simpliSSOがIDレイヤーに位置します。 他のすべての製品は、独自のユーザーテーブルを持つのではなく、ここを通じて認証を行います。
- ERPが基幹の記録システムとして機能します。 受注・在庫・顧客データが、それを必要とする各業務プラットフォーム——現場のsimpliFactory、受入拠点のsimpliDepotやsimpliRecycle、店舗のsimpliShop、充電ネットワークのEV CSMS——へと流れていきます。
- simpliSOCはすべての上位に位置し、 一つのシステムだけに後付けされるのではなく、全レイヤーのログとアクセスパターンを監視します。
- React Nativeによるモバイルアプリがクライアントレイヤーを形成し、 ドライバーや計量担当、顧客がデスクトップではなくスマートフォンの画面を必要とする場面を担います。
これが唯一の組み合わせ方というわけではなく、単一製品だけの導入も同じくらい一般的です。ただ、複数の製品を同時に運用するようになると、たいていこの形に落ち着きます。
すべてに共通するパターン
一覧を見渡すと、同じ形が繰り返されていることに気づきます。計量・等級判定・販売・請求、ログイン・認証・権限付与、検知・トリアージ・対応——現実の業務フローが、スプレッドシートと祈りでつなぎ合わせたバラバラのツール群ではなく、一つの連携したパイプラインとしてモデル化されている、という点です。それはEV充電であれ、セキュリティ運用であれ、廃品回収ヤードであれ変わりません。裏側のエンジニアリングは領域ごとに異なりますが、設計の原則は一貫しています。
もしこの中に、現在「回避しながら運用している」業務の課題に当てはまるものがあれば、業務フローと処理量、希望する導入時期を伝えてください。Simplicoが通常48時間以内にスコープを明確にした提案書を作成します。
お問い合わせ: hello@simplico.net · 電話:(+66) 97 496 6397 · WhatsApp:+66 83 001 0222 · LINE:iiitum1984
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